下関は日本最大のふく取り扱い市場
下関は日本で水揚げされる天然ふぐの約8割、長崎県や熊本県などで養殖されるとらふぐの大部分が集まる一大集積地です。
なかでも、昭和8年(1933年)に開設された唐戸魚市場(南風泊市場)は全国で唯一ふぐを専門に取り扱う日本最大のふぐの取扱い市場として知られています。日本で獲れる約20種類のふぐが集まります。ふぐの競りは「袋競り」と言われる手法です。同じ値段を指差した場合、値入りした仲買人がじゃんけんで勝負をつけます。
ふぐの猛毒を取り除く技術 『みがき』
ふくにはご存知の通り猛毒があります。毒のある部位などを取り去り、食べられる状態にする『みがき』と呼ばれる専門の卸業者が、ここ下関には集結しています。南風泊市場には、日本中からふくが集まり、『みがき』を行って日本各地へと運ばれます。
ふくを、より美味しく美しい料理へ昇華させる料理人たち
新鮮なふぐが集まる下関では、昭和の時代よりふく料理の技を追求した「ふく料理人」が数多くいました。ふぐを捌く包丁の技は、ふぐをより美しく、より美味しい料理として昇華させ、今もなお脈々と受け継がれています。
下関がなぜふくの本場と言われるか?
それは、まさに先人のふく料理人たちの技が、下関のふく文化を作り、全国の方に料理を提供することで「ふくの本場下関」として定着したからでしょう。
伝統的なふく刺しの盛り方
出典:天白ひらこし『ふく百華』出版委員会発行『ふく百華』より抜粋。